これまでスタートアップの会社に数多く利用されていた日本政策金融公庫の新創業融資制度が2024年3月31日をもって終了しました。
今後、創業融資はどうなるのでしょうか?
創業融資の制度が終了したと聞くと、創業時に融資を受けることができなくなるのではないかと懸念される方もいらっしゃると思いますが、実際には従来からある「新規開業資金」という制度に統合されただけで、創業時に融資が受けられなくなったわけではございません。
これまでは創業期の方の融資と言えば新創業融資制度一択でしたが、今回の改変により無担保・無保証人で各種融資制度をご利用いただけるようになったので、むしろ以前よりも利用しやすい制度になったといえるでしょう。
これまでの制度では、「創業資金総額の10分の1以上の自己資金があること」という要件がありました。つまり創業に1,000万円かかるなら、少なくとも100万円は自ら用意しないと融資の申込ができませんでした。
この自己資金要件が、今回の新創業融資制度の終了によりなくなりました。
では、自己資金ゼロで融資が受けられるようになったのかというと、答えは「No」です。
なぜなら、公庫の担当者は融資の申込者が計画性のある人物かどうか注視しているからです。
つまり、自己資金がゼロでは計画性のある人物と評価してもらえる可能性は低いので、制度は変わったとはいえ、自己資金が不要になったわけではないということはご留意下さい。
これまでの制度の融資上限額は3,000万円(うち運転資金 1,500万円)でしたが、新制度では、融資上限額が7,200万円(うち運転資金4,800万円)にアップしました。
革新的なビジネスや成長産業においては、これまでよりも高額の融資を受けられる可能性があります。
返済期間は、それにより月々の返済金額が決まりますので、融資を受ける上で非常に重要な要素といえます。
これまでの制度では、設備資金は10年以内、運転資金は7年以内の返済となっていましたが、新制度では運転資金の返済期間が10年以内に伸長しました。
据置期間とは、元金は返済せずに、元金から発生する利息だけを返済する期間のことを言います。
軌道に乗るまでに時間がかかる事業を行う場合には、据置期間は長く設定した方が良いです。
これまでの制度では、据置期間は最長2年でしたが、新制度では最長5年に伸長されました。
上記の通り、今回の改変は借りる側にとっては嬉しい内容ばかりで、チャレンジしやすい制度になったと言えます。
しかし、制度の内容と実際の審査はイコールではないため、小規模事業者を対象とした創業融資において、実務上劇的な変化はないと予想されています。
新制度においても、融資を申し込むタイミングの判断と適正な事業計画書の作成が最も重要であることに変わりはありません。
BPSグループには公庫の融資に精通した行政書士が在籍しています。
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