もしも外国人を雇うなら…　海外在住の外国人を採用する場合

2024年3月6日外国人ビザ, 経営通信

コロナ禍の収束に伴い、外国人の就労がますます活発になっています。

まだ一般的とは言えないかもしれませんが、日本国内にいる外国人だけでなく、海外からの外国人材の採用も増えており、手続きがやや複雑ながら増加傾向にあります。これは、既に国内にいる外国人の採用では競争が激化し、優秀な人材を確保するのが難しくなってきているからといえるでしょう。

そのため、ややハードルが高く、潜在的な候補者が多い海外からの採用は、いまだブルーオーシャンで優秀な人材を確保することが比較的容易といえるかもしれません。つまり、企業にとってはレッドオーシャンとなる前に、喫緊に検討すべき課題といえるでしょう。

ここでは、海外採用における重要なポイントを解説します。

外国人が日本で就労するためには、労働契約に基づき、就労ビザを取得する必要があります。

労働契約は使用者と労働者の合意によって成立します。

具体的には、会社の求人に応募して「就職したい」と申し込み、会社が「内定」を出して承諾するなどの過程を経て、労働契約が成立します。承諾は書面である必要はなく、口頭でも成立します。

労働基準法第15条により、使用者が労働者に対して以下の労働条件を明示しなければなりません。通常これは労働条件通知書によって行われます。

①労働契約の期間
②労働契約の更新
③就業場所及び従事すべき業務の範囲
④始業及び終業の時刻、残業の有無、休憩時間、休日、休暇
⑤賃金の計算方法、締切及び支払いの時期
⑥退職に関する事項など…

また、多くの外国人採用では、労働契約に「就労ビザの取得」が条件として付けられます。この条件は、ビザが不許可になった場合に契約が無効になることを保証します。

—–　例　—–
「契約は乙（被用者）が20〇〇年〇月〇日までに就労可能な在留資格許可を取得しなければ、効力を生じないものとする」

海外在住の外国人を呼び寄せるには、在留資格認定証明書交付申請を行います。

日本に入国しようとする外国人の方が、日本で行おうとする活動内容がいずれかの在留資格に該当するものである等の上陸のための条件に適合していることを証明するために、入国前にあらかじめ行う申請です。

一般的には、会社が外国人の代理人として出入国管理局に申請します。初めて外国人を採用する場合は、専門家に相談することをお勧めします。

業務内容に応じて申請する就労ビザが異なります。また、就労ビザにはそれぞれの取得要件があります。これらを事前に把握しておくことで、「採用決定後にビザが不許可になった」という問題を回避し、スムーズな採用プロセスを進めることができます。詳細な就労ビザの種類と取得要件については、こちらをご覧ください。

なお、一般的に就労ビザの審査期間は1〜3ヶ月かかります。

在留資格認定証明書が発行されると、外国人はこれを持って現地の在○○○○日本国領事館で査証を発給してもらいます。

国によって異なりますが、一般的には1週間程度かかります。

査証が許可されたら、フライトを予約して来日することが可能になります。

外国人が初めて入国する際には、上陸した空港で入国審査官から在留カードを受け取ります。在留カードのコピーを取得し、しっかり管理しましょう。

在留カードは常時携帯することが必要で、任意に応じる職務質問とは異なり、入国審査官、入国警備官、警察官等から提示を求められたら提示しなければなりません。
在留カードを携帯していなかった場合は、20万円以下の罰金が課せられることがあります。

初めての住民登録は、入国から90日以内にお住まいの役所で行います。登録後、在留カードの裏面に本人の現住所が表示されます。

入社における社会保険の手続きは一般的な日本人と変わりありません。

日本語にまだ自信が持てない方については、会社側がサポートしてゆうちょ銀行の口座を開設するのがお勧めです。

入社における社会保険の手続きは一般的な日本人と変わりありません。

他に外国人を雇用する場合には、ハローワークへの届出義務があります。

この届出は窓口以外に郵送提出も可能です。提出先は、お店（就労所在地）管轄のハローワークになります。本社の管轄ではないのでご注意ください。

BPS国際行政書士法人とインターナショナルスタッフィング株式会社は外国人採用に関するご相談を承っております。是非一度ご相談ください。

興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。