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フリーランスへ業務委託するなら注意!「フリーランス保護新法」が始まります

フリーランス(個人事業主)という働き方が社会に浸透し、年々フリーランスへの需要は高まる一方で、一方的なキャンセル、報酬の不払い等フリーランス側の権利が守られずにトラブルが頻発しています。このような状況を改善するためフリーランスを保護する法律が成立し、2024年秋頃までに施行される予定となっています。

どんな法律?

事業者間(BtoB)における業務委託取引において、

  1. フリーランスと企業等発注事業者の間の取引の適正化と、
  2. フリーランスの就業環境の整備を図り、

フリーランスの方が安心して働ける環境を整備するための法律です。

フリーランスの定義

この法律の対象となる「フリーランス」とは、業務委託の相手方である事業者であって、従業員を雇用しない者を指します。従業員を雇っている場合や、消費者を相手に取引している(BtoC)場合は対象外となります。

何が変わる?

従業員を雇っている個人事業主や法人が、フリーランスへ業務を発注する(=業務委託)をする場合、以下のような対応を取らなければなりません。

  1. 取引条件を明示すること。
    委託する業務や成果物の内容、報酬、支払期日などの契約内容を、契約書として形に残す必要があります。メールや電子契約書でも代用可能です。
  2. 報酬は納品があってから60日以内に支払うこと。
  3. フリーランスに継続的業務委託をする場合は、以下のような対応をしないこと。
    • フリーランスに責任がないのにもかかわらず、発注した物品等を受け取らないこと。
    • フリーランスに責任がないのにもかかわらず、報酬を減額すること。
    • フリーランスに責任がないのにもかかわらず、返品すること。
    • 通常相場に比べ著しく低い報酬の額を不当に定めること。
    • 正当な理由なく自己の指定する物の購入・役務の利用を強制すること。
    • 自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること。
    • フリーランスに責任がないのにもかかわらず、内容を変更させ、又はやり直させること。
  4. 不特定多数に対する募集情報を的確に表示すること。
    広告などにフリーランスの募集に関する情報を記載する際は、虚偽表示をしないこと、また誤解を招く表現や誇張をしてはいけません。
  5. 育児介護等の業務の両立に対する配慮義務。
    オンラインでの対応を可能とするなど、発注企業が可能な範囲で働きやすい環境を整える必要があります。
  6. ハラスメント対策にかかる体制整備義務。
    ハラスメントに対する相談窓口を設けるなどの対応が必要です。
  7. 中途解除等の事前予告義務。
    一定期間以上の業務委託を中途解除する場合、少なくとも30日前にフリーランスへその旨を予告し、要望があればその理由を開示することが義務付けされます。

今後フリーランスとの取引をする場合には、このような対策を取ってフリーランスの人々が働きやすい環境整備に取り組む必要があります。

特に1.「取引条件を明示すること」について、2021年に政府が実施したアンケートによると、依頼元から取引内容や義務内容が「示されていない」「不十分である」と回答したフリーランスが44.4%いることが判明しました。業務委託契約は口頭での受発注でも成立しますが、後になって「依頼していた成果物とは違う」、「約束していたはずの報酬額が支払われない」等のトラブルの発生を防ぐためにも、業務委託契約書を作成し、発注元とフリーランス側双方が、確かに契約条件に合意したという証拠を残しておくことが大切です。

この法律に違反した場合、行政機関から助⾔、指導、報告徴収・⽴⼊検査、勧告、公表、命令などの行政指導がおこなわれ、命令違反や検査拒否などがあった場合、50万円以下の罰金に処されるおそれがありますので注意が必要です。

契約書の作成はプロにお任せ下さい

BPS国際行政書士法人では、フリーランス保護新法で必要となる業務委託契約書の作成を承っております。

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