法人設立・経営管理VISA・各種許認可申請を適正料金で

そのフリマ、オークション出品、古物商の許可は必要?不要?

不要になったものをフリマやオークションに出品して売る。誰もが一度はやったことがあるのではないかと思います。ネットオークションの市場は拡大する一方で、すでに日本国内の市場規模は1兆円を超えています。何度か出品を繰り返しているうちに副業として転売のためにオークションで購入するという人もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな状況もあり「ネットオークションをやっているが古物商の許可は必要なのか?」というお問い合わせが増えています。

この記事では、どんな場合に古物商の許可が必要になるのか、わかりやすく解説したいと思います。

ネットで流される間違った情報

皆さんはこんな情報を耳にしたことはありませんか?

  • ネットだけで取引するなら古物商許可はいらない
  • ネットオークションやフリマアプリで転売するなら古物商許可はいらない
  • 年間〇万円までの取引なら古物商許可はなくてもいい
  • 月に1回しか取引しないなら古物商許可は必要ない
  • 古物商許可が必要なのは法人で、個人なら古物商許可は不要

上記の情報はすべて間違いです。

古物商の許可が必要かどうかを判断する基準は、「古物の買い取り等」をしているかどうかです。古物の買取り等が発生するビジネスを行う場合、古物商の許可が必要となります。

古物営業を行う場合、古物商の許可を取ることは法律に定められた罰則付きの義務であり、無許可営業の場合、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。

自分は大丈夫と思うかもしれませんが、近年フリマアプリでの取引数が増えていることを背景に、警察は監視の目を強めており、摘発が増えてきています。

どんな場合に古物商の許可が必要?

「古物の買い取り等」と言われてもイメージできない方が多いと思いますので、よくある事例を使って、古物商の許可が必要なのか不要なのか解説します。

《古物商許可が不要な場合》

  • お店で新品を買ってきて転売する
    例)新品の初回限定版CDを転売する
  • 自分のために購入した不用品を処分する
    例)自分が着た服を処分する
  • 古物を無料で引き取って転売する
    例)廃品の無料回収で引き取った物を転売する
  • 海外で仕入れた古物を販売する
    例)イギリスの古着屋で洋服を仕入れて日本で販売する
    *国内の輸入業者が仕入れた海外の古物を国内で買い取って転売する場合は許可必要

《古物商許可が必要な場合》

  • 古物を買い取って販売する
    例)ブックオフで買い取った古本のせどり
  • 古物を買い取って修理して販売する
    例)ジャンクPCを買い取って修理して販売する
  • 古物を買い取って部品を販売する
    例)中古車を買い取って部品を販売する
  • 古物を買い取ってレンタルする
    例)中古車をレンタカーとしてレンタルする
  • 古物を下取りして転売する
    例)電化製品を下取りし、新品の価格を値引く
    *自分が販売したモノの買戻しには古物商許可は不要
  • 古物を別のモノと交換する
    例)お金以外のモノを対象に古物を引き取る事業
  • 古物を預かって売れたら手数料をもらう(委託販売)
    例)オークションの出品代行事業

《古物商許可の対象外となる商材》

一部の商材については、古物営業法の対象外とされているものがあります。

  • 投機目的のインゴット(地金、金塊、銀、プラチナ)
    ※アクセサリーや観賞用に加工しているものを除く
  • 大型機械
  • 廃品
  • 美術品としての価値がない古銭
  • 化粧品、薬品、サプリメント
  • お酒
  • 庭石、石灯籠
  • 物品の本来の性質、用途が変化したもの
    例)洋服をリメイクしてバッグにしたもの
  • 物品の本来の性質、用途に変化を及ぼさないと使用できないもの
    例)原材料になるもの、空き缶類、金属原材料、被覆いのない古銅線類等

明確に対象外とされている商材以外の古物取引を行う場合は、古物営業法の規制対象となり、取り扱う古物の種類を13種類区分から選んで申請する必要があります。

《古物営業法上での中古品の定義》

古物営業法には、「新品でも過去に取引されたことのある物は古物(中古品)に含まれる」という規定があります。
ここで注意していただきたいのが、新品でも消費者が購入し、一度でも消費者の手に渡ったものであれば古物扱いになります。
そのため、新品を転売する場合でも古物商許可が必要になることがあるのです。

個人が販売・出品している新品の商品のほとんどがこのケースに該当します。
特にネット上で仕入れをする人は要注意です。
なぜなら、ネット上では相手が個人なのか法人なのか、判断するのがとても難しいからです。
ネット上のアカウントやサイト名が、法人を想起させる名前であっても、運営者が個人であればそれは個人との取引と判断されます。

そのため、ネットで新品の商品を仕入れる場合、知らない間に古物営業法違反になっている可能性が高いです。

ですから、個人やネットから商品を仕入れる場合は、たとえ商品説明が新品となっていても、古物商許可が必要になることもあります。

《営利目的の判断基準》

これまで確認したように、自分の不用品を販売するだけの場合は、古物商の許可は不要とされています。

「自分用に購入したことにして、販売すれば許可は要らないのではないか…?」

と考えるかもしれませんが、そうはいかない仕組みとなっています。

警察庁はこの点について「古物営業法の解釈基準について」という文書を出して、以下のように回答しています。

平成7年9月11日警察庁通達「古物営業法の解釈基準について」

バザーやフリーマーケットについては、その取引されている古物の価額や、開催の頻度、古物の買受けの代価の多寡やその収益の使用目的等を総合的に判断し、営利目的で反復継続して古物の取引を行っていると認められる場合には、古物営業に該当する。

自分用に購入したと言い張ったとしても、反復継続的に売買を行っている場合は、言い訳はきかないというわけです。

では、どの程度の取引量を超えたら、許可が必要になるのでしょうか。
過去の裁判例では、営利目的で一回でも古物取引を行った場合は、古物営業法の規制対象となるとしています。

転売目的かどうかについては、無許可営業を取り締まっている警察が判断します。
逮捕されたあとに「転売目的ではなかった」など、下手な言い訳は通用しません。

基本的には、転売を行うのであれば、取引回数や量によらず、古物商の許可を取得するようにしましょう。

古物商許可取得の支援はお任せください

BPS国際行政書士法人では、古物商許可取得に関するご相談を承っております。

詳細を知りたい方やご興味をお持ちの方はこちらからお気軽にお問い合わせください。